昭和44(う)483

 大麻取締法違反被告事件

 昭和44年6月20日

 東京高等裁判所 　第九刑事部

 第22巻3号352頁

 現行犯逮捕に際し実施された捜索差押が違法でないとされた一事例

 被告人がベトナムから日本に向う飛行機の中で知り合つた同国人たる外人Ａと共に横浜市内のホテル七階の一室に宿泊していた際、(イ)捜査官において右ホテル内の外人二名が大麻たばこを吸つていたとの密告をうけ、ホテル五階の待合所でＡを大麻たばこ一本所持の現行犯として逮捕し(ロ)Ａの申立により外人警官の到着をまつて、逮捕から約三五分後、ホテル七階の右一室の捜索をし、洗面所で大麻たばこ七本を発見し(ハ)立会のＡは、右たばこは被告人の所持品であると弁解したが、捜査官において(被告人、Ａ両名の共同所持であるとの疑いをもつて)これを差押えた場合、Ａに対する大麻たばこ七本の捜索、差押は違法でない。

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