裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和40(う)2038
- 事件名
威力業務妨害暴力行為等処罰に関する法律違反等被告事件
- 裁判年月日
昭和43年11月28日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第二刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第21巻5号605頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 タクシー会社の労働争議の際組合員が会社所有の自動車の車輪を撤去する行為と労働組合法第一条第二項但書の暴力の行使
二、 右労働争議の際組合員が会社所有の車検とキイの抑留を継続する行為と威力業務妨害罪の成否
三、 争議行為の正当性の限界を越えた争議手段の一事例
- 裁判要旨
一、 タクシー業を営む会社の労働争議に際し、組合員が会社所有の自動車の車輪を撤去する行為は、労働組合法第一条第二項但書にいう暴力の行使にあたる。
二、 右労働争議に際し、組合員が組合の組織の団結力を利用し会社所有の車検とキイを会社側の返還要求を拒否して抑留継続する行為は、刑法第二三四条にいわゆる威力を用いて会社の業務を妨害するものと解すべきである。
三、 右労働争議に際し、組合員の会社所有の車検とキイの返還拒絶ないし奪取行為は、争議行為の本質に反し、その正当性の限度を逸脱した不法なものと認むべきである。