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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和38(う)2741

事件名

 名誉毀損被告事件

裁判年月日

 昭和41年9月30日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第十一刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第19巻6号683頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 刑法第二三〇条ノ二にいう「真実ナルコトノ証明」の程度
二、 包括一罪ではなく四個の名誉毀損罪が成立し併合罪となるとされた事例

裁判要旨

 一、 刑法第二三〇条ノ二にいう「真実ナルコトノ証明」は、いわゆる証拠の優越の程度では足りず、合理的な疑いをいれない程度のものであることを必要とする。
二、 四回にわたり他人の名誉を毀損する記事をパンフレットに掲載頒布した場合に、掲載された記事が各回ごとにほぼ同趣旨の独立したまとまつた内容のものであり、その行為の日時にある程度の隔たりがあり、掲載誌もすべて同種ではなく、被害者もそのうち二回は甲、乙、丙の三名、二回は甲、乙の二名である等の事実関係(判決理由参照)のもとでは、これらの行為は、それが甲、乙らを糾弾しようとする一個の志向の現われであるとしても、包括一罪ではなく、観念的競合である科刑上一罪が四個成立し、併合罪の関係に立つと解すべきである。

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