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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和31(ネ)1594

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 昭和37年3月29日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第六民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第15巻5号337頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 旅券法第一三条第一項第五号にいわゆるわが国の利益または公安を害する「行為を行うおそれがあると認めるに足りる」との趣旨
二、 旅券法第一三条第一項第五号により外務大臣のした旅券発給拒否処分が違法でないとされた事例

裁判要旨

 一、 旅券法第一三条第一項第五号にいわゆるわが国の利益または公安を害する「行為を行うおそれがあると認めるに足りる」とは、その者の渡航によつて客観的にわが国の利益または公安が害されるおそれがあると認めるに足りる場合をも指すと解すべきである。
二、 判決認定(理由第三項(一)参照)のようなわが国の当面する内外の客観的諸情勢のもとにおいて、外務大臣が被控訴人らの中国国慶節祝典参列と国情視察との目的でする渡航を旅券法第一三条第一項第五号にあたると判断してした旅券発給拒否処分は、その処分が恣意に出たとの証拠もなく右諸情勢その他の認識について特段の誤認も推論上の不合理もうかがわれない本件においては、これを違法とすることはできない。

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