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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和35(う)1001

事件名

 公職選挙法違反被告事件

裁判年月日

 昭和35年10月31日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第二刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第13巻追録号1頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 公職選挙法第一四八条第一項にいわゆる新聞紙の意義その他
二、 特定の文書が同条同項にいわゆる新聞紙に該当するや否やを判定する基準並びにその内容たる記事が同条同項にいわゆる報道および評論に該当するや否やを判定する基準
三、 同条同項の要件を具備する新聞紙等が選挙に関し特定の候補者の人格、識見、閲歴、手腕および政見等を客観的に報告あるいは批判することは選挙の公正を害するか

裁判要旨

 一、 公職選挙法第一四八条第一項にいわゆる新聞紙とは、特定の人または団体により、一定の題号を用い、比較的短かい間隔をおき、号を逐つて定期的に印刷発行される報道および評論を主たる内容とする文言であつて、不特定または多数人に広く頒布されるものこ解するのが相当である。
二、 特定の文書が同条同項の新聞紙にあたるかどうか、また、その内容たる記事が同条同項にいう報道および評論にあたるかどうかは、その文書自体を前記新聞紙の意義に照らして決定すべきものであり、かつ、それのみで足りるものこいわなければならない。
三、 同条同項の要件を具備する新聞紙等が特定の候補者の人格、識見、閲歴手腕および政見等を客観的に報告あるいは批判することは、選挙に関し、国民に正しい智識と判断の資料を提供するものであつて、なんら選挙の公正を害するおそれがないものというべきである。

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