裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和31(う)418
- 事件名
営利誘拐恐喝未遂被告事件
- 裁判年月日
昭和31年9月27日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第四刑事部
- 結果
破棄自判
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第9巻9号1044頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 営利誘拐罪における「営利の目的」の意義
二、 未成年者に対する営利誘拐行為と擬律
- 裁判要旨
一、 刑法第二二五条にいわゆる「営利の目的」とは、ひろく自己または第三者のために財産上の利益を得ることを行為の動機としている場合のすべてをいうものではなく、被誘拐者を利用しその自由の侵害を手段として自己または第三者のために財産上の利益を得ようとする場合にかぎるものと解すべく、ただそれは被誘拐者を利用するものであれば必ずしも誘拐行為自体によつて利益を取得する場合にかぎらず、誘拐行為後のある行為の結果これを取得する場合をも包含するものと解するを相当とする。
二、 いやしくも営利の目的をもつて人を誘拐した場合には、その対象たる人が未成年者であると否とを問わず、刑法第二二五条の営利誘拐罪が成立し、同法第二二四条の未成年者誘拐罪が成立する余地はない。
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