昭和29(う)2585

 殺人同未遂被告事件

 昭和30年4月19日

 東京高等裁判所 　第六刑事部

 破棄自判

 第8巻4号505頁

 甲を殺害する目的で毒酒を贈与し丙が数ケ月後これを飲用死亡した場合殺人罪の成立を認めた事例　○判決要旨
犯人が甲を殺害する目的で農薬ホリドール乳剤を混入した日本酒を甲に贈与し同人はこれを飲用せずそのまま放置していたところ、数ケ月後情を知らない甲の妻乙がこれを丙に贈与し、丙においてこれを飲用し、ホリドール服用による内因的窒息に因り死亡したときは、犯人は丙に対する殺人罪の刑責を負担する。

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