裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和28(う)2818
- 事件名
威力業務妨害被告事件
- 裁判年月日
昭和29年6月9日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第一一刑事部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第7巻7号1047頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
土地建物の所有権の継承者の右土地建物の賃借人に対する威力業務妨害罪の成立する事例
- 裁判要旨
診療所建物竝びにその敷地(後記建物敷地を含む)およびその正面出入口前面の表公道に通ずる空地の所有権を承継した者が、右診療所建物竝びにその敷地を前所有者から適法に借り受けその敷地の一部に居宅兼病棟に使用する建物を所有し、かつ前所有者から右二棟の建物使用のためその正面入口前面の表公道に通ずる空地を使用通行することを認められて右二棟の建物によつて医業を経営していた医師との間に、右診療所建物明渡に関し紛争中右両建物の正面出入口から一尺乃至三尺の近辺に地上約五尺以下五段の鉄条柵を張り廻らした上、なお門柱に木戸を設けて昼間もこれを閉鎖し門柱に懸けてあつた医師の看板を取り外す等の所為におよんで同所の出入に多大の不便を与え、診療を求める患者の減少を来さしめた場合は、威力を用いて右医師の業務を妨害したものであつて刑法第二三四条の罪が成立する。
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