裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和62(う)536
- 事件名
風俗営業等取締法違反被告事件
- 裁判年月日
昭和63年4月22日
- 裁判所名・部
大阪高等裁判所 第三刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第41巻1号123頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 警察官の捜査に犯罪をも組成する違法、不当があるのを看過してなした検察官の公訴提起がいまだ公訴権行使の裁量を逸脱しているとはいえないとされた事例
二 逮捕状及び捜索差押許可状の告発付請求の基礎となつた証拠資料の収集過程に犯罪行んを含む著しい違法、不当があつたとして、被逮捕者の供述調書及び捜索差押の現場撮影写真の証拠能力がそれぞれ否定された事例
- 裁判要旨
一 警察官による捜査には、捜査協力者を利用したおとり捜査、参考人供述調書のねつ造、同ねつ造調書に基づく搜索差押許可状・逮捕状の違法な取得と執行などの犯罪行為にも当たる違法、不当があるも、検察官がそれら違法、不当を発見できなかつたことに落ち度がなく、また他に独自捜査を行つている本件(判文参照)にあつては、検察官による公訴提起がいまだ公訴権行使の裁量を逸脱しているとはいえない。
二 逮捕状及び捜索差押許可状の各発付請求の基礎となつた参考人供述調書が警察官によりねつ造されあるいは架空人名義で作成されるなど、各令状発付請求の主たる証拠資料の収集過程に警察官の犯罪行為を含む著しい違法、不当があつた本件(判文参照)にあつては、右逮捕状に基づく違法な逮捕を受けた者の逮捕中の供述調書及び右捜索差押許可状に基づく違法な捜索差押の現場撮影写真については、その証拠能力を否定するのが相当である。
- 全文