裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和59(う)1443
- 事件名
業務上過失致死被告事件
- 裁判年月日
昭和60年4月10日
- 裁判所名・部
大阪高等裁判所 第二刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第38巻1号90頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
前方注視を尽くしていても回避することができなかつたと認められる歩行者との衝突事故につき、高速運転と前方注視義務違反の点がともに過失を構成するとされた事例
- 裁判要旨
前方注視を欠いたまま高速運転中の自動車を歩行者に衝突させた事案につき、運転者が前方注視を尽くしていても衝突自体はこれを回避することができなかつたと認められる場合であつても、運転者が前方注視を尽くし歩行者を発見可能地点で直ちに発見して急制動の措置をとつていたとすれば、衝突の衝撃が緩和され被害の結果が現実のそれより軽いものになる蓋然性があつたと考えられる本件においては、高速運転と前方注視義務違反の点は、生じた結果に対し因果関係を有する運転者の落度ある態度として、いずれも過失を構成する。
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