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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和35(う)34

事件名

 暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件

裁判年月日

 昭和35年12月22日

裁判所名・部

 名古屋高等裁判所  第四部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第13巻10号776頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 正当防衛の成立を認め得ない一事例

裁判要旨

 労働組合が本部派と再建派に分裂し抗争していたところ、再建派は工場内において再建派臨時大会を開催するにあたり、本部派組合員が工場に立ち入り右大会を妨害することを防止するため、再建派組合員によリ工場正門前でいわゆるピケラインを張り待機中、本部派組合員多数が右大会を阻止する目的で実力によリ右ピケラインを突破し入場しようとし、ピケラインの再建派組合員はこれを実力をもつて阻止しようとして両者押し合つているとき、右ピケラインが崩れるような情勢を見て、再建派に属する被告人らがピケラインの再建派組合員に助勢しピケラインの維持を図る目的で消防用のホースを用いて右本部派組合員に対し放水した行為は、再建派の団結権および同派のピケラインを張っていた者の生命身体を防衛するための正当防衛行為とはなし得ない。

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