裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
平成8(く)28
- 事件名
再審開始決定に対する即時抗告事件
- 裁判年月日
平成12年2月29日
- 裁判所名・部
福岡高等裁判所 第1刑事部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第53巻1号34頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 確定上告審で提出された証拠と刑訴法四三五条六号の定める証拠の新規性
二 共犯者とされた者二名の偽証告白等を内容とする新証拠を刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」にあたると認めた事例
- 裁判要旨
一 確定上告審において上告趣意書等に添付して提出された証拠であっても、該証拠について明確な判断がなされず、職権調査の対象となったか明らかでない場合には、刑訴法 四三五条六号の定める証拠の新規性を失わないと解すべきである。
二 主に共犯者二名の供述をもとにして、再審請求人と同人らとの共謀による覚せい罪輸入等の事実を認めた確定有罪判決に対し、右二名の偽証告白を内容とする新供述及び同人らの渡航記録、国際架電記録等が新証拠として提出された再審請求事件において、右二名の新供述が旧供述より信用性が高く相互に補強しうる関係にあり、またその旧供述に右渡航記録等の客観証拠との不一致、矛盾が認められ、その内容自体も不自然・不合理な箇所がみられるばかりか、かえって犯行への関与を全面的に否定する再審請求人の弁解の合理性が肯定される本件の証拠関係(判文参照)のもとにおいては、右二名の新供述等の新証拠は刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」にあたる。
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