裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和42(う)820
- 事件名
恐喝、公正証書原本不実記載、同行使、道路法違反、不動産侵奪、入場税法違反被告事件
- 裁判年月日
昭和44年3月18日
- 裁判所名・部
福岡高等裁判所 第二刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第22巻1号46頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 株式会社設立登記に関し公正証書原本不実記載同行使罪の成立を否定した事例
二、 不動産侵奪罪につき不法領得の意思を道路法違反罪につき違法性をそれぞれ否定した事例
三、 国税犯則取締法一三条一項に規定する告発の有効要件
- 裁判要旨
一、 創立総会を開催しないまま株式会社設立登記を了しても、判示のごとく設立手続を進め、商法一八八条所定の登記事項について登記申請を了した事実関係のもとでは登記簿に不実の記載をさせた場合に該らない。
二、 市道に属する道路を道路法所定の手続を履践しないで周辺土地とともに埋立てて自動車学校敷地にした場合でも、判示の如き状況並びに事情があるときには該道路敷地の侵奪につき不法領得の意思があつたものとはいえず、また道路法九九条にいう「みだりに」道路を損壊したものというに該らない。
三、 間接国税犯則事件に関して通告処分をしないで収税官吏が直ちになす告発は、国税犯則取締法一三条一項但書各号に該当する場合に限られ、その該当性の判断が告発時における具体的事情からして客観的に妥当であることが是認されるときはじめて有効であると解すべきである。
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