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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和29(う)63

事件名

 暴力行為等処罰に関する法律違反強要不法監禁被告事件

裁判年月日

 昭和29年3月30日

裁判所名・部

 福岡高等裁判所  第二刑事部

結果

 棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

 第7巻4号547頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 正当な争議行為に当らない一事例

裁判要旨

 スト支援者が会社の構内において争議中の労組員等六、七十名と共同で争議以前の用件できていた巡査部長を取り囲み、多数の威力を示して身体または自由に対し危害を加えかねまじき気勢を示し、脅迫を続けてつるし上げたり身体の捜査をして取上げた警察手帳の内容を読み上げたりした上強要して詫状を書かせ、これを参集者に向つて読み上げさせた後、無理にデモ隊の中に引き入れて他の者と交替しつつ同部長をスクラムを組んでデモ行進の列中から脱出し得ないようにして警察署前まで連行し、三時間余り同部長を不法に監禁した所為は、労働組合法第一条第二項にいわゆる暴力行使であつて、同条第一項の目的達成のためにした正当な行為ということはできない。

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