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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和26(う)2437

事件名

 公職選挙法違反被告事件

裁判年月日

 昭和26年10月19日

裁判所名・部

 福岡高等裁判所  第三刑事部

結果

 破棄自判

高裁判例集登載巻・号・頁

 第4巻12号1614頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 選挙運動のために使用する文書の意義
二、 政党機関紙と公職選挙法第一四八条第一項にいう新聞紙の意義
三、 選挙の公正な施行と公共の福祉

裁判要旨

 一、 政党その他の政治団体が、日常不断の政治活動として文書によりその政治上の主義政策を宣布し又は時局に関する批判を表明すること等を主たる員的としたものであつても、これに附随して、特定の選挙において特定候補者に当選を得べく投票を得るにつき直接又は間接に有利な行為換言すれば当選を得るためにする意思を直接又は間接に表示掲載するときは、その文書は選挙運動のために使用したもので、かかる文書の頒布は、公職選挙法第一四条第一項に違反するものである。
二、 政党機関紙も、それが一般民衆に頒布することを目的とし且つ一定の題号をもつて定期的に発行されるものであれば、一般的には新聞紙であるが、公職選挙法第一四八条第一項にいう新聞紙は有料で頒布されるものでなければならない。
三、 政治の代議制度を認める以上選挙の公正な施行ということは公共の福祉であるから、憲法第二一条による言論出版その他の表現の自由の保障も選挙運動に関しある程度これを制限することは、憲法第一二条、第一三条の容認するところである。

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