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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成8(う)12

事件名

 殺人,死体遺棄,現住建造物等放火,詐欺被告事件

裁判年月日

 平成11年3月4日

裁判所名・部

 仙台高等裁判所  第2刑事部

結果

 棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

 第52巻1号1頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一 殺人及び死体遺棄の共同正犯において、実行行為者、殺害の方法等につき択一的ないし厳密な特定をしない認定が是認された事例
二 殺人及び死体遺棄の共同正犯において、実行行為者を被告人と特定した訴因に対し、これを特定せずに択一的に認定するにつき訴因変更を要しないとされた事例

裁判要旨

 一 殺人及び死体遺棄の共同正犯において、犯行が被告人及び共犯者甲の両名の共謀によるものであることに間違いがなく、それ以外の者が介在したとは認められないが、証拠上、実行行為者が誰なのかを確定することが困難であり、また、犯行の日時、場所、方法についても判然としない場合には、これらにつき択一的ないし厳密な特定をしない認定をすることも、やむを得ないものとして是認され、判決における理由不備には当たらない。
二 殺人及び死体遺棄の共同正犯の訴因として、被告人が、共犯者甲との間で被害者を殺害してその死体を遺棄することを共謀したこと及び右の共謀に基づき単独で実行行為をしたことが掲げられ、被告人及び弁護人が、そのいずれの事実をも全面的に否定して争った事案において、実行行為者を「甲又は被告人あるいはその両名」と択一的に認定するについては、訴因変更を要しない。

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