裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
平成7(行ケ)3
- 事件名
当選無効及び立候補禁止請求事件
- 裁判年月日
平成8年7月8日
- 裁判所名・部
仙台高等裁判所 第三民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第49巻2号38頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 公職選挙法二五一条の三第一項にいう「組織」の意義
二 公職選挙法二五一条の三第一項にいう「組織」により選挙運動が行われたとされた事例
- 裁判要旨
一 特定の公職の候補者等の当選を得せしめ又は得せしめない目的の下に、役割を分担し、相互の力を利用し合い、相互に協力し合って活動する実態をもった人の集合体であれば、公職選挙法二五一条の三第一項にいう「組織」に当たると解すべきであり、公職の候補者等が自らその組織もしくは総括者に働きかけて選挙違反行為を中止させ得るだけの人的結びつきと、公職の候補者等の指示を受け入れる関係が存在しなければならないものではない。
二 会社の代表取締役が、特定の候補者のために、挨拶する場を提供する朝礼及び会食の設営を発案し、会社の幹部である取締役建設部長及び開発部次長に対し、会社を挙げて当該候補者を支援する旨の方針とその計画の内容を宣明し、その了解を得たうえで、右幹部をして、当該候補者との日程調整、朝礼への従業員の招集や会食会場の確保、会食に招集する下請業者の選定、当該候補者のポスターの貼付、会食の運営、後援者名簿用紙の配布等をさせ、会食等の費用を会社の経費から支出をさせたこと等の判示の事実関係の下では、公職選挙法二五一条の三第一項にいう「組織」により選挙運動が行われたというべきである。
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