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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成7(行ケ)2

事件名

 当選無効及び立候補禁止請求事件

裁判年月日

 平成7年10月9日

裁判所名・部

 仙台高等裁判所  第二民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第48巻3号231頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一 公職選挙法二五一条の三第一項の「組織的選挙運動管理者等」に当たるとされた事例
二 公職選挙法二五一条の三第二項三号の「相当の注意を怠らなかったとき」の意義

裁判要旨

 一 後援会組織を利用した選挙対策本部により行われる選挙運動において、対策本部の各部署やその支部に相当する各連絡所の責任者を選任したほか、右連絡所の事務所開きの日時を決定して責任者に指示するとともに、事務所開きに後援会の役員や当該候補者の出席を要請し、また、個人演説会を中止して街宣活動に力を入れるという方針を立て、さらに、候補者の妻をして有権者の家を回らせたり現金供与をさせるなどした者は、公職選挙法二五一条の三第一項にいう組織的選挙運動管理者等に該当する。
二 公職選挙法二五一条の三第二項三号の「(買収等の罪に該当する)行為を行うことを防止するため相当の注意を怠らなかったとき」とは、組織的選挙運動管理者等が買収等の罪に該当する行為をしょうとしても容易にこれをなすことができないだけの選挙組織上の仕組を作り、維持すること、すなわち、右目的を達成するに足りる組織内の人的配置をして、同管理者等に役割・権限が過度に集中しないように留意し、選挙資金の管理・出納が適正明確に行われるよう十分に心がけるなどしていたことが認められる場合をいい、事務所内に買収等を禁ずるポスターを貼ったり、機会あるごとに選挙違反を犯さないよう訓示していたというだけでは、これに当たらない。

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