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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和61(う)90

事件名

 覚せい剤取締法違反、保護者遺棄致死被告事件

裁判年月日

 平成元年1月26日

裁判所名・部

 札幌高等裁判所  第三部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第42巻1号1頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 少女に覚せい剤を注射して間もなく同人が急性症状を発し数時間後に心不全により死亡した事案につき保護者遺棄致死罪が成立するとされた事例

裁判要旨

 被告人がホテルの客室に同伴した少女に覚せい剤を注射して間もなく同人が苦しみだし、急性症状が次第に高進して錯乱状態に陥ったのに、なんら医療を要請することなく放置したところ、同人が数時間後に心不全により死亡したという本件事案において、右錯乱状態に陥った時点で直ちに救急医療を要請しておれば速やかに適切な医療を受けさせることができ、救命の可能性が高い事情(判文参照)にあったときは、被告人は病者である右少女の保護責任ある者としてその生存に必要な保護をなさず、よって同人を死に致したものというべきである。

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