裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和27(う)278
- 事件名
昭和二五年政令第三二五号違反被告事件
- 裁判年月日
昭和27年10月16日
- 裁判所名・部
札幌高等裁判所 第三部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第5巻11号1969頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 連合国の占領下における昭和二五年政令第三二五号占領目的阻害行為処罰令の有効性
二、 平和条約発効後の右政令第三二五号と憲法第三一条との関係
三、 昭和二七年法律第一三七号第三条と憲法
四、 平和条約の発効と右政令第三二五号の効力
- 裁判要旨
一、 連合国最高司令官の指令の趣旨に反する行為を処罰することを定めた昭和二五年政令第三二五号第二条の規定は、連合国の占領下においては、憲法上その有効性を容認しなくてはならなかつたものである。
二、 平和条約発効後は、連合国最高司令官の指令の定めるところを法規範としこれに違反する行為をもつて処罰の対象とする右政令の規定は、憲法第三一条に違反する。
三、 政令第三二五号違反行為に対する罰則の適用について従前の例による旨を定めた昭和二七年法律第一三七号第三条の規定は、違憲の処罰法規の効力を存続させようとする法律の規定自体が違憲であるから無効である。
四、 右政令第三二五号中、連合国最高司令官の指令の趣旨に反する行為を処罰する規定は、平和条約の発効によつて効力を失つたものであつて、刑訴第三三七条第二号にいう「犯罪後の法令により刑が廃止されたとき」に該当する。
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