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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成15(ネ)497

事件名

 認知請求事件

裁判年月日

 平成16年7月16日

裁判所名・部

 高松高等裁判所  第四部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第57巻3号32頁

原審裁判所名

 松山地方裁判所

原審事件番号

 平成14(タ)25

判示事項

 1 人工受精の方法による懐胎によって出生した子の認知請求が認められるための要件
2 冷凍保存していた夫の精子を用いて妻が夫の死亡後に人工受精を受け出生した子からの認知請求が認められた事例

裁判要旨

 1 人工受精の方法による懐胎によって出生した子の認知請求が認められるためには,認知を認めることを不相当とする特段の事情が存しない限り,子と事実上の父との間に自然血縁的な親子関係が存在することに加えて,事実上の父の当該懐胎についての同意が存することという要件を充足することが必要であり,かつ,それで十分である。
2 Xは,Aが,夫Bの死亡後に,冷凍保存していたBの精子を用いた人工受精の方法による懐胎によって出生した子であり,XとBとの間には自然血縁的な親子関係が存すること,Bにおいて,自己の死亡後にAが冷凍保存していた自己の精子を利用して懐胎することについて同意したことが認められ,他方,Xの認知を認めることを不相当とする特段の事情があるとは認められないという本件事実関係の下においては,Xの認知請求は理由がある。

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