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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和38(う)89

事件名

 兇器準備集合等被告事件

裁判年月日

 昭和39年1月20日

裁判所名・部

 広島高等裁判所  松江支部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第17巻1号47頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 刑法第二〇八条の二第一項の規定にいう「集合シタル場合」の意義
二、 刑法第二〇八条の二所定の共同加害の目的を以て集合したるものが後に兇器の準備あることを知つた場合の犯罪の成否
三、 右二の場合において集合につき場所的移動をしていないものの犯罪の成否
四、 刑法第二〇八条の二第二項の規定にいう「人ヲ集合セシメタル者」の意義

裁判要旨

 一、 刑法第二〇八条の二第一項にいう「集合シタル場合」とは必ずしも場所的移動を前提とするものではなく、既に時と所とを同じくする二人以上のものが、同条所定の共同加害の目的を有するようになり、それによつて一個の集合体とみられるに至つた場合も含まれると解する。
二、 既に共同加害の目的を以て集合しているものが、何者かによつて兇器の準備がなされていることを知つた場合は、速やかに右集合体から離脱しない限り同項の罪が成立する。
三、 右二の場合集合場所が自己の住居である等の関係から場所的移動をしていないものも、集合体から離脱しない限り同項の罪が成立することに変りはなく、ただその離脱は共同加害の目的を放擲することで足り、必ずしも有場所より退去する必要はない。
四、 同条第二項にいう「人ヲ集合セシメタル者」とは、既に時と所とを同じくする二人以上の者に対し、同条所定の共同加害の目的を附与し、一個の集合体を形成せしめた者も含まれると解する。

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