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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和62(う)27

事件名

 強盗殺人・恐喝未遂・暴行被告事件

裁判年月日

 平成元年3月24日

裁判所名・部

 福岡高等裁判所  宮崎支部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第42巻2号103頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 被害者を欺罔して自殺させた行為が強盗殺人罪の殺人行為に当たるとした事例

裁判要旨

 六六歳で独り暮しの女性から盲信に等しい信頼を得て短期間に合計七五〇万円にのぼる金員を欺罔的手段で借り受けていた被告人が、債務の支払いを免れるため同女を自殺せしめようと企て、同女を欺岡して出資法違反の罪で警察から追われているとの錯誤に陥れ、警察の追及から逃れるためという口実で連れ出して半月余の逃避行をさせ、その間、知人や親戚との接触を断ちながら、執拗に自殺を慫慂して同女を心理的に迫い詰め、判示のような事情(判文参照)のもとで状況認識を誤って自殺以外に途はないと誤信した同女をして自ら農薬を嚥下して死亡するに至らしめた所為は、被害者の行為を利用した強盗殺人罪の殺人行為に該当する。

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