裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和60(ネ)73
- 事件名
立替金請求事件
- 裁判年月日
昭和62年8月31日
- 裁判所名・部
名古屋高等裁判所 金沢支部 第一部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第40巻3号53頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 印鑑の売買契約と合体してされた金銭配当契約がいわゆる無限連鎖講(ネズミ講)に当たり無効とされた事例
二 印鑑の売買契約と合体してされた金銭配当契約がいわゆる無限連鎖講(ネズミ講)に当たり無効である場合と購入者と信販会社との間の代金立替払契約の効力
- 裁判要旨
一 市価五万円相当の印鑑セツトを一八万円で購入した者が、次の購入者三名を勧誘し、以下順次各購入者による三名ずつの購入者の勧誘が行われれば、先順位者として、後順位の購入者の代金から一定割合の還元金(購入者が三六三名に達したときの合計は六〇五万円)を広告宣伝費として受領することができる旨の約定は、代金を五万円とする通常の商品売買契約と購入者が無限に増加することを前提に自己の支出した額以上の金員の配当を受けることを目的としてその出資金を一三万円とする金銭配当契約とが合体したものであつて、後者の部分は、いわゆる無限連鎖講(ネズミ講)に当たり無効である。
二 市価五万円相当の印鑑セツトの売買契約と合体してされた出資金を一三万円とする金銭配当契約がいわゆる無限連鎖講(ネズミ講)に当たり無効であつても、印鑑セツトの売買代金を一八万円としてされた購入者と信販会社との間の立替払契約は、信販会社において右ネズミ講の事実を知らないときは、右出資金に当たる部分についても有効である。
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