裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和39(う)129
- 事件名
住居侵入強盗傷人被告事件
- 裁判年月日
昭和40年10月14日
- 裁判所名・部
名古屋高等裁判所 金沢支部 第二部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第18巻6号691頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 他人の身体に対する刑法上の傷害と暴行との区別
二、 創傷の程度が極めて軽微であるとして傷害と認めず強盗致傷罪の成立を否定した事例
- 裁判要旨
一、 他人の身体に対する傷害と暴行との区別は、それによつて生じた生理的機能障害の程度の差に過ぎないから、その生理的機能障害が極めて軽微なものは傷害ではなく、暴行と解すべきである。 二、 強盗犯人に襟首を捕え引き倒し、前に押しつけられた時に畳に擦りつけられて右前額部に針頭大並に約〇・五糎の裂創二ケ所及び右上下眼瞼、眦部にわたつて中等度の浮腫を認める創傷を受けたが、皮下出血、疼痛を認めず被害者において傷を受けたことの自覚も不明確で治療を受けることなく五日位で全治した場合は未だ傷害と言うに当らず従つて強盗致傷罪は成立しない。
- 全文