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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和31(う)360

事件名

 猥褻誘拐被告事件

裁判年月日

 昭和32年3月12日

裁判所名・部

 名古屋高等裁判所  金沢支部  第二部

結果

 破棄自判

高裁判例集登載巻・号・頁

 第10巻2号157頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 姦淫の目的で人を誘拐した罪の犯人が該事実について起訴された後被害者と婚姻した場合に於ける告訴の効力

裁判要旨

 一、 刑訴第二三七条は、告訴権の軽卒な行使によリ公訴り追行が不当に左右されることを防止しようとする趣旨の規定であり姦淫の目的で人を誘拐した罪の犯人が起訴された後、被害者と婚姻した場合に、その適用を見るべき規定ではない。
二、 被誘拐者が犯人と婚姻した場合には、該婚姻の成立が公訴提起の前であると否とを問はず、いやしくも婚姻の無効または、取消の裁判が確定した後に為されたものでないかぎり、当該犯罪に対する告訴は、すべて無効であり既に為された告訴はその効力を失うと解すべきである。

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