裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
平成15(う)188
- 事件名
背任被告事件
- 裁判年月日
平成17年7月12日
- 裁判所名・部
高松高等裁判所 第1部
- 結果
破棄自判
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第58巻3号5頁
- 原審裁判所名
高知地方裁判所
- 原審事件番号
- 判示事項
県の副知事らが貸付金の償還可能性が極めて困難であることを認識しながら貸付けにかかる予算につき県議会の議決を経ることなく貸付けを実行した行為が背任罪に当たるとされた事例
- 裁判要旨
普通地方公共団体である県の副知事らが,既に県から総額14億円余りの貸付けを受けていながら,操業開始後間もなく10億円以上の運転資金不足を生じていた協業組合に対して10億円余りの貸付けを実行した行為は,副知事らにおいて,同組合の代表者らが事業計画に必要な自己資金を調達せずに増資を仮装するなどして県から貸付金を詐取していたことを知り,かつ,同組合の業績が悪化するばかりで回復の見込みがなく,新規貸付けを実行してもその償還可能性が極めて困難であることを認識していたこと,県が新規貸付金の担保として同組合から徴求した物件には担保価値がなかったにもかかわらず,他に貸付金の確実な回収のための適切な措置を講じていなかったこと,貸付けにかかる予算につき県議会の議決を経ていなかったことなどの事情の下では(判文参照),背任罪に当たる。