裁判例検索

裁判例結果詳細

高等裁判所 判例集

事件番号

 平成22(う)317

事件名

 児童福祉法違反被告事件

裁判年月日

 平成22年8月3日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第12刑事部

結果

 破棄自判

高裁判例集登載巻・号・頁

 第63巻2号1頁

原審裁判所名

 横浜地方裁判所  小田原支部

原審事件番号

判示事項

 1 行為者を相手方として児童に淫行をさせる場合の児童福祉法34条1項6号に違反する罪の罪となるべき事実の摘示に理由不備の違法があるとされた事例
2 養父が児童をして自己を相手に性交させた行為が児童福祉法34条1項6号にいう「児童に淫行をさせる行為」に該当するとされた事例

裁判要旨

 1 判決書の「罪となるべき事実」の項に,児童に対し事実上の影響力を及ぼして淫行するよう働き掛け,その結果児童をして淫行するに至らせたことを判示していない原判決には,行為者を相手方として児童に淫行をさせる場合の児童福祉法34条1項6号の罪の構成要件を満たす事実を漏れなく記載していない理由不備の違法がある。
2 児童が,それまでの経緯から,養父から性交されることに抵抗したり,それを実母に相談することができない心理状態にあり,養父もこのような事情を認識していた本件の事実関係(判文参照)の下では,養父が児童をして自己を相手に性交させた行為は,児童福祉法34条1項6号にいう「児童に淫行をさせる行為」に当たる。

全文