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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成24(う)1021

事件名

 詐欺被告事件

裁判年月日

 平成24年12月13日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第4刑事部

結果

 破棄自判

高裁判例集登載巻・号・頁

 第65巻2号21頁

原審裁判所名

 東京地方裁判所

原審事件番号

判示事項

 1 第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名義で携帯電話機の購入等を申し込む行為と詐欺罪にいう欺罔行為の成否
2 第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名義で携帯電話機の購入等を申し込んだ被告人両名の行為は,販売店の店長が被告人両名に携帯電話機を販売交付したのは錯誤によるものであると認めるには合理的疑いが残るとしても,詐欺未遂罪を構成するとされた事例

裁判要旨

 1 第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名義で携帯電話機の購入等を申し込む行為は,その行為自体が,交付される携帯電話機を自ら利用するように装うものとして,詐欺罪にいう欺罔行為に当たる。
2 第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名義で携帯電話機の購入等を申し込んだ被告人両名の行為は,本件販売店の店長が,被告人両名の第三者に無断譲渡する意図に薄々感づいていながら,たとえそうであったとしても構わないとの意思で携帯電話機を販売交付したのではないかとの合理的疑いを払拭できず,同店長が被告人両名に携帯電話機を販売交付したのは錯誤によるものであると認めるには合理的疑いが残るとしても,詐欺未遂罪を構成する。

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