裁判例結果詳細
下級裁裁所 裁判例速報
- 事件番号
平成18(ネ)190
- 事件名
不当利得返還請求控訴事件
- 裁判年月日
平成18年10月19日
- 裁判所名・部
広島高等裁判所 第4部
- 結果
棄却
- 原審裁判所名
広島地方裁判所
- 原審事件番号
平成16(ワ)1674
- 原審結果
棄却
- 判示事項の要旨
本件は,銀行から長期固定金利の約束で借り入れた借主が,銀行に対して禁止されている期限前の返済を済ませた際,支払うべき損害金の額が不明確な特約に基づき多額の損害金を徴収されたのは不当であるとして,その損害金の返還を求めたというものである。本判決は,長期固定金利を内容とする金銭消費貸借契約に関し,銀行の了解を得て期限前返済を行う場合には所定の方法で算出される損害金の支払を要する旨の特約は,期限前返済が禁止されていることを前提として,期限前返済を行うためには銀行の承諾を要することと期限前返済された資金を再運用しても生ずる損害金の支払が承諾の条件となる点について予め概括的に注意喚起しておき,正式に期限前返済の申し出があった際に所定の計算によって損害金が具体化され,これを前提としても借主が期限前返済を望む場合に銀行がこれを承諾して期限前返済禁止を解除することもありうるという趣旨のものであるから,その特約自体からは損害金が不明確であるとしても同特約が無効であるとはいえないとした。
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