裁判例結果詳細
下級裁裁所 裁判例速報
- 事件番号
平成20(ネ)244
- 事件名
損害賠償請求控訴,同附帯控訴事件
- 裁判年月日
平成21年12月24日
- 裁判所名・部
名古屋高等裁判所 民事第4部
- 結果
その他
- 原審裁判所名
名古屋地方裁判所
- 原審事件番号
平成17(ワ)1883
- 原審結果
その他
- 判示事項の要旨
1 担当医師が,くも膜下出血を発症した患者に対し,脳動脈瘤頸部クリッピング術を施行したが,誤ってクリップを前交通動脈に掛けてしまったことから,そのやり直しのために行われた2回目の手術中に,脳動脈瘤が破裂し,テンポラリークリップによる血流遮断を行ったところ,術後,患者に新たな脳梗塞が生じたり,術前よりも脳梗塞の範囲が拡大し,意識障害,右上下肢麻痺,左下肢麻痺の後遺障害が残った場合において,患者の後遺障害の主な原因は,2回目の手術操作であるとされた事例
2 担当医師には,1回目の手術の際に,前交通動脈に生じた破裂脳動脈瘤の頸部に掛けるべきクリップを誤って前交通動脈に掛け,かつ,クリップを掛けた位置の確認作業を怠った過失があるとされた事例
3 患者には,くも膜下出血による一次脳損傷によって一定の障害が残存した可能性が高いものの,1回目の手術中に脳動脈瘤が破裂する可能性の程度などからすれば,担当医師が1回目の手術において注意義務を尽くしていれば,2回目の手術が行われることはなく,患者の後遺障害の程度は,より軽微なものであったと推認できるとして,後遺障害による損害(逸失利益,慰謝料,付添看護費用の合計約1億4900万円)のうち,1割に相当する部分と弁護士費用について賠償請求が認容された事例
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