裁判例結果詳細
下級裁裁所 裁判例速報
- 事件番号
令和1(ネ)365
- 事件名
損害賠償請求控訴事件
- 裁判年月日
令和2年9月16日
- 裁判所名・部
広島高等裁判所 第4部
- 結果
棄却
- 原審裁判所名
広島地方裁判所
- 原審事件番号
平成30(ワ)505
- 原審結果
棄却
- 判示事項の要旨
【事案の概要】
本件は,夫となるべき者と共に,夫婦それぞれの氏を称するものとして婚姻届を提出したところ,民法750条及び戸籍法74条1号(以下「本件各規定」という。)を理由に受理されなかった控訴人が,本件各規定は憲法14条1項,憲法24条,市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「自由権規約」という。)並びに女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(以下「女子差別撤廃条約」という。)に違反するものであり,本件各規定を改廃して夫婦別氏という選択肢を新たに設けない立法不作為は違法であると主張して,国家賠償法1条に基づき,50万円の賠償を求めた国家賠償請求訴訟
【理由の要旨】
1 本件では,昭和22年の民法改正後の社会情勢の変化等によって,本件各規定が定める夫婦同氏制が合理性を欠くことになり,憲法24条2項や憲法14条1項に反する状況に至っているというべきか否かが問われている。
夫婦同氏制は,長く我が国の社会に定着してきたものであり,夫婦同氏制を定めた本件各規定が憲法24条や憲法14条1項に直ちに違反するものということはできないし,本件と同様の事案について同様の判示をした平成27年最高裁判決後も,夫婦同氏制を定める本件各規定が,憲法24条や憲法14条1項に反する状態に至っているというまでの社会情勢の変化等があったとはいえない。
2 本件各規定が自由権規約あるいは女子差別撤廃条約に違反する旨の控訴人の主張は採用できない。
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