裁判例結果詳細
下級裁裁所 裁判例速報
- 事件番号
令和2(行ウ)92
- 事件名
バックフィット命令に伴う使用停止命令義務付け請求事件
- 裁判年月日
令和4年3月10日
- 裁判所名・部
名古屋地方裁判所 民事第9部
- 結果
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 原審結果
- 判示事項の要旨
原子力規制委員会が,高浜原子力発電所3号機及び4号機(本件各原子炉)について,大山の噴火の噴出規模を増大する見直しを行い,本件各原子炉及びその附属施設(本件各原子炉施設)の設置変更許可に係る申請をすることを命ずるバックフィット命令を発出したことにつき,本件各原子炉施設の敷地から一定の距離(半径約3kmから約140kmまで)に居住する原告らが,従来の想定を大きく上回る規模の自然災害が想定される場合には,原則として本件各原子炉施設の使用停止を命ずべきであるなどとして,行政事件訴訟法3条6項1号所定の非申請型義務付けの訴えとして,使用前事業者検査がされるまでの間,本件各原子炉施設の使用停止を命ずる処分の義務付けを求める事案において,原告らの原告適格及び同法37条の2第1項の「重大な損害を生ずるおそれ」が認められた上,バックフィット命令の発出の要否並びにその時期及び内容等については,各専門分野の学識経験者等を擁する原子力規制委員会の科学的,専門技術的知見に基づく裁量判断に委ねられるものであり,発電用原子炉施設の使用停止を命ずることの義務付けの訴えに係る請求が認められるのは,使用停止を命ずべきであることが法令の規定から明らかであると認められ,又は使用停止を命じないことが裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められることを必要とすると解するのが相当であるとし,本件口頭弁論終結時において,原子力規制委員会が本件各原子炉施設の使用停止を命じないことが裁量権の範囲を超え又はその濫用となると認めることはできないとされた事例。
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