裁判例検索

裁判例結果詳細

下級裁裁所 裁判例速報

事件番号

 令和3(ネ)833

事件名

 地位確認等請求控訴事件、同附帯控訴事件

裁判年月日

 令和4年11月15日

裁判所名・部

 名古屋高等裁判所  民事第2部

結果

 棄却

原審裁判所名

 岐阜地方裁判所

原審事件番号

原審結果

判示事項の要旨

 (判示事項)
1 民法上の保佐(準禁治産)等の制度は、本人の財産権等を擁護することを目的とするもので、警備業法における規制とは制度の趣旨が異なり、これを借用して被保佐人(準禁治産者)であることを警備員の欠格事由と定めた警備業法の本件規定(14条、3条1号)は、その制定当初から、憲法14条1項(法の下の平等)、22条1項(職業選択の自由)に反するものであったとした事例
2 本件規定が憲法に違反していることは、平成22年7月頃には、国会にとっても明白であり、警備員をしていた被控訴人が被保佐人となり欠格事由に該当したことで退職した平成29年3月まで、約6年8か月にわたって本件規定を改廃しなかったことは、国家賠償法1条1項の適用上違法であり、その違法性は大きいとした事例
3 本件規定が職業選択の自由そのものを制約するもので、被控訴人が習熟しており、生計維持のためにも必要な社会経済活動を制限され、同程度の能力を有する法定後見制度を利用しない者との間で不平等な扱いを受け、社会生活をしていく中でその能力を発揮する主要な場を奪われ、個人としての自立等を妨げられ、自己実現のできる重要な機会を強制的に奪われたことなどを考慮すると、慰謝料は50万円が相当であるとして、原審の認容額(10万円)から増額した事例

全文