裁判例結果詳細
下級裁裁所 裁判例速報
- 事件番号
令和1(ワ)11273
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
令和4年9月22日
- 裁判所名・部
大阪地方裁判所 第18民事部
- 結果
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 原審結果
- 判示事項の要旨
旧優生保護法下のいわゆる優生手術の規定が、自己決定権、リプロダクティブ・ライツ等の憲法上の権利を侵害する違憲な立法であったこと等を理由とする国に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求事件において、同規定の立法行為について国家賠償法上の違法性があるものとした上で、不妊手術の実施から20年以上の除斥期間が経過していることに関し、国が非人道的な優生手術を制度化して、広く優生思想及び優生政策の正当性を国民に認識させる状況を作出し、かねてからあった差別・偏見を正当化・固定化した上、これを相当に助長してきたため、優生手術に係る国家賠償請求訴訟提起の前提となる情報や相談機会へのアクセスが著しく困難な環境が続いたものというべきであり、除斥期間の適用をそのまま認めることは、著しく正義・公平の理念に反するから、権利行使を不能又は著しく困難とする事由がある場合に、その事由が解消されてから6か月を経過するまでの間、時効の完成を延期する時効停止の規定(民法158ないし160条)の法意に照らし、訴訟提起の前提となる情報や相談機会へのアクセスが著しく困難な環境が解消されてから6か月を経過するまでの間、除斥期間の適用が制限されるものと解するのが相当であるが、平成30年1月に提起された同種の訴訟の報道を契機として本件の訴訟提起を検討するようになった本件の具体的な事情に照らして、除斥期間の適用は制限されないと判断された事例
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