裁判例結果詳細
下級裁裁所 裁判例速報
- 事件番号
令和3(行ウ)15
- 事件名
不開示決定処分取消請求事件
- 裁判年月日
令和7年6月5日
- 裁判所名・部
大阪地方裁判所 第7民事部
- 結果
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 原審結果
- 判示事項の要旨
【判示事項】
1 原告が開示を求めた「新型コロナウイルス感染拡大への対策の一環として…配布される布マスクの契約、発注及び回収等について御庁が業者との間でやりとりした内容を記録した文書(応接録を含む。)。」につき、保有していないなどとしてされた各不開示決定が一部取り消された事例
2 原告が開示を求めた「…布マスク購入に関し販売業者との間でやり取りした文書(以上、電子メールとその添付文書を含む。)」につき、保有していないなどとしてされた各部分開示決定が一部取り消された事例
3 厚生労働省及び文部科学省の電子メールのバックアップファイルが、情報公開法2条2項の「電磁的記録」に当たらず、同項の「行政文書」に該当しないとされた事例
【裁判要旨】
1 原告が開示を求めた「新型コロナウイルス感染拡大への対策の一環として…配布される布マスクの契約、発注及び回収等について御庁が業者との間でやりとりした内容を記録した文書(応接録を含む。)。」につき、保有していないなどとしてされた各不開示決定が、保存期間1年未満の文書として扱われていた文書(電子メールや内部検討に用いる文書等)は探索や開示の対象とされなかったと推認され、上記請求対象文書に該当する文書は上記各不開示決定時においても存在していたと認められるなどとして、一部取り消された事例
2 原告が開示を求めた「…布マスク購入に関し販売業者との間でやり取りした文書(以上、電子メールとその添付文書を含む。)」につき、保有していないなどとしてされた各部分開示決定が、厚生労働省や文部科学省の職員が調達業者との間の電子メールの全てを各部分開示決定時までに完全に削除したとは考え難く、上記請求対象文書に該当する文書は上記各部分開示決定時においても存在していたと認められるなどとして、一部取り消された事例
3 情報公開法2条2項の「電磁的記録」に該当するには、当該行政機関が保有する処理装置及びプログラムによりその情報内容を直接認識できるものであることを要すると解されるところ、厚生労働省及び文部科学省の電子メールのバックアップファイルは、上記各省が保有する処理装置及びプログラムによりその情報内容を直接認識できるものではないから、同項の「電磁的記録」に該当せず、同項の「行政文書」には該当しないとされた事例