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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成15(行ウ)58

事件名

 処分取消請求事件

裁判年月日

 平成16年9月22日

裁判所名

 名古屋地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 市の管理する下水道への排水量を計量する量水器を経由することなく同下水道への排水を可能にするう回配管を設置して,本来支払うべき下水道使用料の徴収を免れた法人に対し,春日井市下水道条例(昭和43年春日井市条例第8号)25条,26条に基づき,下水道事業を統括する市長がした不正免脱使用料金の3倍に相当する額の過料に処する旨の処分の取消請求が,一部認容された事例

裁判要旨

 市の管理する下水道への排水量を計量する量水器を経由することなく同下水道への排水を可能にするう回配管を設置して,本来支払うべき下水道使用料の徴収を免れた法人に対し,春日井市下水道条例(昭和43年春日井市条例第8号)25条,26条に基づき,下水道事業を統括する市長がした不正免脱使用料金の3倍に相当する額の過料に処する旨の処分の取消請求につき,地方自治法228条3項及びこれを受けた前記条例25条の規定と,地方税法所定の重加算金及び脱税罪の各規定とでは,適正な徴収の確保という共通する目的を有しているにもかかわらず,過料の上限の決定方法と重加算金ないし脱税の罰金刑のそれとが異なり,後者に比して前者の上限が高く設定されていることに照らすと,前者の処分を行うに際して後者の上限を超える金額の過料を科すには,それを正当と認めるに足りる情状(の悪質さ)の存在を必要とすると解されるとした上,前記法人の代表者が不正工事についてどの場面でどのように具体的に関与したのかについて何ら特定されておらず,よって代表者がどの程度積極的に不正免脱行為を推進していたかという情状面における最も重要な事実関係が,必ずしも十分に解明されているとはいえないことなどの事情を総合考慮すると,下水道の使用料の徴収を免れるための不正を防止し,適正な使用料の徴収を確保するという行政目的を達成するためには,前記法人に対して不正免脱金額の2倍に相当する額の過料を科すことで足りると考えられ,前記処分のうちこれを超える部分については裁量権を逸脱したものと判断するのが相当であるとして,前記請求を一部認容した事例

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