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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成15(行ケ)328等

事件名

 裁決取消請求事件

裁判年月日

 平成15年11月12日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 区議会議員選挙において次点で落選した者と最下位当選者との得票数が同数であったという理由により,落選者の審査請求を認容し,最下位当選者の当選を無効とした都選挙管理委員会の裁決に対し,前記落選者が同人の得票数が前記最下位当選者よりも多い旨の判断を求めて提起した同裁決取消しの訴えが,適法とされた事例

裁判要旨

 区議会議員選挙において次点で落選した者と最下位当選者との得票数が同数であったという理由により,落選者の審査請求を認容し,最下位当選者の当選を無効とした都選挙管理委員会の裁決に対し,前記落選者が同人の得票数が前記最下位当選者よりも多い旨の判断を求めて提起した同裁決取消しの訴えにつき,行政事件訴訟法43条及び同法(平成16年法律第84号による改正前)33条によれば,裁決を取り消す判決は,主文のみならず,理由中の主文を直接導く判断を含めて関係行政庁を拘束することとなるところ,選挙の当選の効力に関する訴訟については,一般に,裁判所が原告の得票が最下位当選者と同数であるという理由で最下位当選者の当選を無効と判断した場合には,くじで原告又は最下位当選者のいずれかを当選者と決定することになるが,裁判所が原告の得票が最下位当選者よりも多いという理由で最下位当選者の当選を無効と判断した場合には,選挙会においては原告を当選者と決定するほかはなく,もはや最下位当選者が当選者とされる可能性はないから,理由中の得票数に関する判断の内容により,原告の法的地位に異同が生ずることになり,選挙訴訟の当事者は,より自己に有利な法的地位を求めて訴えの提起や上訴の申立てができると解すべきであるから,前記落選者は,同人の得票数が最下位当選者より多い旨の判断を求めて前記裁決の取消しの訴えを提起することができるというべきであるとして,前記訴えを適法とした事例

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