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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成13(行ウ)15

事件名

 下水道事業受益者負担金賦課処分取消請求事件

裁判年月日

 平成15年1月28日

裁判所名

 甲府地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 土地区画整理事業の施行区域内にあり,いまだ仮換地の指定が行われていない土地の所有者に対し,都市計画法75条2項,甲府都市計画下水道事業受益者負担に関する条例2条1項に基づいてされた下水道事業受益者負担金賦課処分決定が,適法とされた事例

裁判要旨

 土地区画整理事業の施行区域内にあり,いまだ仮換地の指定が行われていない土地の所有者に対し,都市計画法75条2項,甲府都市計画下水道事業受益者負担に関する条例2条1項に基づいてされた下水道事業受益者負担金賦課処分決定につき,同法75条1項にいう「利益」とは,衡平の観点に照らして,受益者負担金の徴収を受けることが合理的と認められる程度に特別なもので,かつ,具体化したものである必要があり,また,「利益を受ける者」とは,既に利益を受けた者及び既に利益を受け終わった者のみならず,将来的に利益を受けることが確実であるものを指すと解されるとした上,公共下水道事業による利益は当該土地の利用価値や資産価値を増加させるものであり,これらは周辺住民一般の受ける利益とは区別されるべき,排水区域内に土地を所有していることによってもたらされる特別の利益ということができ,また,同条2項の委任に基づいて制定された前記条例によれば,公共下水道事業の施行予定区域内の土地について当該区域を受益者負担金の賦課処分の対象区域とする旨の公告がされるのは,公告の日から3年以内に公共下水道事業を施行することが予定されている場合に限られ,同土地の所有者は,同公告がされた以上,土地の利用価値や資産価値の増大という利益を享受することが確実になっているといえるから,仮換地の指定が行われていなくとも,前記土地の所有者は,都市計画法75条1項にいう「著しく利益を受ける者」及び前記条例2条1項にいう「受益者」に当たるとして,前記決定が適法とされた事例

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