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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成11(行ウ)18

事件名

 行政処分取消請求事件

裁判年月日

 平成14年9月13日

裁判所名

 徳島地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 水道事業管理者である市長が指定する水源保護地域内においては,同管理者が規制対象事業場と認定した事業場を設置することを禁止するとの旨を定めた阿南市水道水源保護条例(平成7年阿南市条例第1号)が,産業廃棄物の管理型最終処分場に適用される限りにおいて,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成9年法律第85号による改正前)15条1項ないし3項に違反して,無効であるとされた事例 2 市水道事業管理者である市長が,産業廃棄物等の処理等を業とする会社が建設を予定している産業廃棄物最終処分場について,市水道の水源に好ましくない影響を与える可能性があり,現時点では水道に係る水質を汚濁するおそれがあるとして,市水道水源保護条例に定める規制対象事業場と認定した処分が,取り消された事例

裁判要旨

 1 水道事業管理者である市長が指定する水源保護地域内においては,同管理者が規制対象事業場と認定した事業場を設置することを禁止するとの旨を定めた阿南市水道水源保護条例(平成7年阿南市条例第1号)につき,同条例による産業廃棄物の管理型最終処分場の設置に対する規制は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律及びその委任を受けた政省令による規制と目的を同じくするものと解するのが相当であるとした上で,設置許可申請に係る施設が,同法の委任を受けた省令の定める要件に該当するか否かの審査権を有するのは,同法によって設置許可権限を付与されている都道府県知事であるところ,前記条例はその審査権と同じ権限を水道事業管理者である市長に対しても付与するものであり,このような二重に審査する制度を設けることは,申請者に過度の負担をかける結果となって相当でない上,同法が廃棄物処理業の許可や処理施設設置等の許可について市町村長と都道府県知事との役割分担を明確に規定していることにかんがみると,同法が想定しているものとは考え難いなどとして,前記条例は,少なくとも産業廃棄物の管理型最終処分場に適用される限りにおいて,同法の容認するところではなく,同法(平成9年法律第85号による改正前)15条1項ないし3項に違反して無効であるとした事例 2 市水道事業管理者である市長が,産業廃棄物等の処理等を業とする会社が建設を予定している産業廃棄物最終処分場について,市水道の水源に好ましくない影響を与える可能性があり,現時点では水道に係る水質を汚濁するおそれがあるとして,市水道水源保護条例の規定に基づいて規制対象事業場と認定した処分につき,前記処分場は,一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(昭和52年総理府厚生省令第1号,平成10年総理府厚生省令第2号による改正前)2条1項4号にいう管理型最終処分場に該当するものであるが,設置許可申請に係る施設が同省令の定める要件に該当するか否かの審査権は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成9年法律第85号による改正前)15条1項により当該施設の設置許可権限を付与されている都道府県知事が有するものであるところ,前記条例の規定は,この審査権と同じ権限を水道事業管理者である市長にも付与するものであって,同条1項ないし3項に違反して無効であるとして,前記処分を取り消した事例

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