裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成13(行ス)56
- 事件名
執行停止申立却下決定に対する抗告事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ク)第113号)
- 裁判年月日
平成13年11月26日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
難民認定申請をしている者がした収容令書の発付処分の取消しを求める訴えを本案とする同処分の執行停止申立てが,却下された事例
- 裁判要旨
難民認定申請をしている者がした収容令書の発付処分の取消しを求める訴えを本案とする同処分の執行停止申立てにつき,行政事件訴訟法(平成16年法律第84号による改正前)25条2項にいう「回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があるとき」に当たるというためには,身体的拘束による不利益のほか,被収容者の身体的状況,収容所等の環境その他諸般の事情から,収容の維持を不相当とするような特別の損害を被るおそれがあることを要するものと解するのが相当であるところ,限られた予算,物的人的な施設の範囲でしかるべき処遇がなされているものと評価できるのであって,同人が収容されていた期間を考慮しても,収容場の環境が著しく過酷であって,人道上容認し難いという状況にあるとはいえないこと,同人に収容の維持を不相当とするような健康状態の著しい障害があるということはできないこと,被収容者は,訴訟代理人である弁護士との面会や収容所等の保安上支障があると認められない通信文の発受等を認められており,難民認定申請手続及び退去強制手続において必要な証拠資料の収集や弁護士との打合せを行うことは十分に可能と考えられることを総合的に考慮すると,収容令書に基づく収容により,同人につき収容の維持を不相当とする特別の損害の発生を避けるための緊急の必要性を認めることはできず,「回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があるとき」の要件が存在しないとして,前記執行停止申立てを却下した事例
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