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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成12(行ウ)4

事件名

 酒類販売場移転許可処分取消請求事件

裁判年月日

 平成13年7月4日

裁判所名

 松江地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 酒類販売場移転許可処分の取消しを求める訴えにつき,移転先近隣の既存の酒類販売業者の原告適格が否定された事例
2 酒類販売場移転許可処分の取消しを求める訴えにつき,移転先近隣の既存の酒類業組合の原告適格が否定された事例

裁判要旨

 1 酒類販売場の移転許可処分の取消しを求める訴えにつき,酒類業組合の組合員は,処分の名宛人ではなく,既存の酒類販売業者であり,酒税法に基づく免許,許可制度に関する諸規定は,酒税の確実な徴収とその税負担の消費者への円滑な転嫁を確保する必要という専ら財政目的の見地から採用されたものであって,酒類の製造場,販売場の移転許可制度を定めた同法16条の規定も前記財政目的の見地から規定されたものにほかならず,同条に基づく処分の名宛人以外の近隣における既存の酒類販売業者の営業の安定等の個別的利益あるいは酒類業組合の事業の安定までも法律上保護したものではないから,処分の取消しにより,前記組合員が利益を受けることがあったとしても,それは,法律上保護された利益ではなく,反射的利益ないし事実上の利益にすぎないものではないとして,移転先近隣の既存の酒類販売業者の原告適格を否定した事例
2 酒類販売場の移転許可処分の取消しを求める訴えにつき,酒類業組合は処分の名宛人ではなく,また,酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の目的が「酒税の保全」であり,「酒税の保全」に資することのない「酒類業界の安定」のみを目的としたものではなく,同法によっても,酒類業組合の個別的利益を保護する趣旨を含むものではないとして,移転先近隣の既存の酒類業組合の原告適格を否定した事例

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