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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成11(行コ)173

事件名

 医師国家試験予備試験受験資格認定処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成8年(行ウ)第252号)

裁判年月日

 平成13年6月14日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 中華人民共和国の国籍を有し同国内の医学校を卒業した者が,厚生大臣(平成11年法律第160号による改正後は厚生労働大臣)に対してした医師国家試験本試験の受験資格の認定申請について,同大臣のした却下処分は違法であるとしてした同処分の取消請求が,認容された事例

裁判要旨

 中華人民共和国の国籍を有し同国内の医学校を卒業した者が,厚生大臣(平成11年法律第160号による改正後は厚生労働大臣)に対してした医師国家試験本試験の受験資格の認定申請について,同大臣のした却下処分は違法であるとしてした同処分の取消請求につき,同処分は,同大臣が,医師法に基づく公権力の行使として,前記受験資格の認定を求める申請に対しそれを拒否する処分を行ったものと認めることができるから,同処分については行政手続法(平成14年法律第152号による改正前)5条及び8条が適用されるとした上,同大臣が同処分を行うに当たって用いた外国医(歯)学校卒業者等受験資格認定審査基準は,その内容にかんがみれば,医師法(平成11年法律第160号による改正前)11条及び12条に基づき同大臣が行うこととされている認定の許否を判断するための審査基準に当たるものということができるから,同大臣としては,行政上特別の支障があるときを除きこれを公にしておかなければならないこととなる(行政手続法5条1項,3項)が,同大臣が,前記認定申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により,前記審査基準を公にしていたということはできず,同基準を公にすることに行政上特別の支障があるとの事情も認められないから,前記処分は行政手続法5条3項に違反する状況でされたことが明らかであり,また,同処分の理由としては,「貴殿の医学に関する経歴等からみて」との理由が示されているにとどまるのであって,この理由からは,前記の者の経歴等のうちのどの点が審査基準のどの項目を満たさないために同処分がされたものであるかを知ることは,同人にとって不可能であるというほかないから,同処分は,同法8条1項により処分と同時に申請者に示すべきものとされている理由の提示を欠いたままされたものであって,違法であるとして,前記請求を認容した事例

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