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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成9(行コ)73

事件名

 情報非公開処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成5年(行ウ)第26号)

裁判年月日

 平成11年8月23日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 自殺した女子生徒の通学していた市立中学校の生徒が作成した作文中の同女子生徒に関する情報が,町田市個人情報保護条例(平成元年町田市条例第5号)21条3号に非開示事由として規定する「開示することにより,実施機関による公正な職務執行が著しく阻害されるおそれのあるもの」に該当するとされた事例 2 自殺した市立中学校の女子生徒の親が,町田市個人情報保護条例(平成元年町田市条例第5号)20条に基づいてした,同女子生徒の自殺について同校の他の生徒が作成した作文の開示請求に対する非開示決定の取消しを求める訴えが,開示対象の作文が存在しない部分は訴えの利益がないとして,一部却下された事例

裁判要旨

 1 自殺した女子生徒の通学していた市立中学校の生徒が作成した作文中の同女子生徒に関する情報につき,同作文の作成目的,作成意図等に照らすと,これを開示した結果として,前記作文と同様の生活指導としての作文において,生徒は自由な認識,評価を記載することが抑制され,その赤裸々な心情の吐露,真摯な内省等を期待し得なくなることは明らかであって,作文による生活指導そのものの効果が阻害されることになるから,前記作文中に前記女子生徒に関する事実情報があるとしても,それは町田市個人情報保護条例(平成元年町田市条例第5号)21条3号に非開示事由として定める「開示することにより,実施機関による公正な職務執行が著しく阻害されるおそれのあるもの」に該当するとした事例 2 自殺した市立中学校の女子生徒の親が,町田市個人情報保護条例(平成元年町田市条例第5号)20条に基づいてした,同女子生徒の自殺について同校の他の生徒が作成した作文の開示請求に対する非開示決定の取消しを求める訴えにつき,前記開示請求の対象とされた作文には,前記決定時に存在せず,又は同決定後に返却若しくは焼却したことにより,実施機関が保管していないものが含まれており,これらに係る前記決定を取り消したとしても,実施機関が開示する余地はないから,作文が存在しない部分は訴えの利益がないとして,前記訴えを一部却下した事例

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