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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成7(行ウ)25

事件名

 賦課決定処分取消等請求事件

裁判年月日

 平成10年8月10日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 消費税法(平成6年法律第109号による改正前)30条7項にいう「帳簿又は請求書等を保存しない場合」の意義

裁判要旨

 消費税法(平成6年法律第109号による改正前。以下同様)30条7項にいう「帳簿又は請求書等を保存しない場合」の「保存」とは,事業者が,同項所定の帳簿又は請求書等を同法施行令(平成7年政令第341号による改正前)50条1項等に規定する保存期間の始期から全期間にわたって所持,保管を継続することを意味し,前記帳簿又は請求書等に該当する書面を保存の始期の後に事業者が取得したとしても,保存の要件を欠くことになるが,保存という文言の通常の意味からしても,また,同法全体の解釈からしても,税務調査の際に事業者が帳簿又は請求書等の提示を拒否したことをもって,前記「帳簿又は請求書等を保存しない場合」に該当するということはできないのであって,不服申立て又は訴訟手続において,事業者が,前記帳簿又は請求書等に該当する書面であるとして,これを書証として提出し,当該処分当時に同書面を所持,保管していたことを証明したときは,裁判所等は,同書面に同法30条8項,9項所定の事項が記載されているか否か,これを事業者が保存期間の始期から継続的に所持,保管していたか否か,課税仕入れの事実があったか否かについて審理し,そのいずれもが肯定される場合には,同条1項に基づく課税仕入れに係る消費税額の控除を認めることになる。

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