裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成8(行ウ)78
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成10年5月28日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
都内の公務員住宅に居住することを義務付けられている都情報連絡室報道部報道課の課長が,家族が住む横浜の家に泊まりに行くために都の物品であるタクシー券を使用したことが違法であるなどとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,同課の物品管理者である前記課長個人に対してされた損害賠償請求が,一部認容された事例
- 裁判要旨
都内の公務員住宅に居住することを義務付けられている都情報連絡室報道部報道課の課長が,家族が住む横浜の家に泊まりに行くために都の物品であるタクシー券を使用したことが違法であるなどとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,同課の物品管理者である前記課長個人に対してされた損害賠償請求につき,タクシー券を使用しての帰宅が適法なものと評価できるのは,特段の事情のない限り,通勤手当の支給などの各種手当の支給において「住所」であると職員の給与に関する条例(昭和26年東京都条例第75号)上取り扱われ,かつ,現実に当該職員の生活の本拠となっている場所に帰宅した場合に限られるものと解するのが相当であって,生活の本拠がどこにあるかは,当該職員の生活状況,各種手当や届出上の取扱い,居住期間等の客観的事実と居住の意思などの主観的事実とを総合的に考慮して判断すべきであるところ,前記課長の前記条例上の住所は前記公務員住宅であり,また,同住宅が同人の生活の本拠と認められるから,同人が家族の住む家に泊まりに行くのは私的な外泊にすぎず,同人の前記タクシー券の使用は,同法232条及び「物品管理者は,物品を供用するときは,その使用目的に適合するよう使用させなければならない。」と定める東京都物品管理規則(昭和39年東京都規則第90号)22条に違反するものであって,違法であるなどとして,前記請求を一部認容した事例
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