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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成6(行コ)74

事件名

 児童扶養手当資格喪失処分取消請求控訴事件

裁判年月日

 平成7年11月21日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 母が婚姻によらないで懐胎した児童が,その後父から認知されたことにより児童扶養手当法4条1項各号所定の児童のいずれにも該当しなくなったとしてした児童扶養手当受給資格喪失処分の取消請求が,同児童は父の認知により同法施行令(昭和36年政令第405号)1条の2第3号に該当しなくなったことは明らかであり,また,同規定が憲法14条1項に違反するともいえないなどとして,棄却された事例

裁判要旨

 母が婚姻によらないで懐胎した児童が,その後父から認知されたことにより,児童扶養手当法4条1項各号所定の児童のいずれにも該当しなくなったとしてした児童扶養手当受給資格喪失処分の取消請求につき,児童扶養手当の受給資格を「母が婚姻(中略)によらないで懐胎した児童(父から認知された児童を除く。)」と定める同法施行令(昭和36年政令第405号)1条の2第3号は,本文と括弧書とが一体となって受給資格を定めた規定であり,括弧書部分のみを取り出して独立の児童扶養手当不支給事由を定めたものと解してその無効をいうことは許されないとした上,前記規定は,同号所定の児童を,父が存在しないために父による扶養を受けることができない類型の児童であって,同法4条1項2号又は4号に準ずるものとして児童扶養手当の支給対象とすることを定めた規定であると解されるところ,父の不存在という事実それ自体を指標として類型的に児童扶養手当の支給の必要性を肯定し,その反面として,父の不存在という指標が存在しなくなった場合には類型的に支給の必要性を否定することにはそれなりの合理性があるものと認められ,また,同項2号又は4号所定の受給資格に関しても,父の不存在という指標が失われた場合には同様に受給資格が失われるものと解されるのであるから,母が婚姻によらないで懐胎した児童についてのみ不合理な差別的取扱いをしているものともいえないから,前記規定は憲法14条に違反しないなどとして,前記請求を棄却した事例

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