裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
昭和55(行ウ)104
- 事件名
戦犯記念碑設置法確認等請求,損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成元年6月23日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 地方自治法242条の2第1項3号に基づき,公園内の記念碑を撤去しないことの違法確認を求める訴えが,記念碑を撤去すべきか否かは行政的管理上の問題であって,財務的管理上の問題ではないから不適法であるとして,却下された事例 2 東京拘置所刑場跡地の公園に記念碑等を設置したことが戦犯の慰霊顕彰を目的とするものであるとして,地方自治法242条の2第1項1号並びに4号に基づき提起された,同公園及び施設の維持管理費の支出差止請求並びに特別区長個人に対する同施設の維持管理費相当額の損害賠償請求が,右記念碑等は歴史的事実を肯定的評価あるいは否定的評価のいずれも示すことなく,事実として記念する目的の下に設置されたものであって,その設置及び維持管理は違憲・違法ではないとして,いずれも棄却された事例 3 東京拘置所刑場跡地の公園内の記念碑等の設置のとりやめを求める監査請求を行ったことにより,地方自治法242条の2第1項4号に基づき提起された特別区長個人に対する同施設の維持管理費相当額の損害賠償請求についても監査請求前置の要件を満たしているとした事例 4 地方自治法242条の2第1項1号に基づき,特別区長を被告として提起された公園内の記念碑の維持管理費の支出差止請求に,同法242条の2第1項4号に基づき提起された特別区長個人に対する同施設の維持管理費相当額の損害賠償請求を追加した場合,両訴は中心的な争点が共通であるのみならず,前訴により差止めを求められている維持管理費の支出をすればこれに対する損害賠償請求がされるであろうことは当然予測し得るものであり,また,両訴の被告は実質的には同一といえるから,出訴期間遵守との関係では,後訴は前訴が提起されたときに提起されたものとみることができるとされた事例
- 裁判要旨
- 全文