裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
昭和41(行ウ)29
- 事件名
課税処分取消請求事件
- 裁判年月日
昭和46年4月26日
- 裁判所名
福島地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 営業権の意義 2 税法上営業権に資産性が認められる場合 3 しにせ旅館として立地条件もよく長い間にかち得た信用も大である温泉旅館を経営する会社から営業の譲渡を受けた者が,同一場所で旅館営業を開始した場合,営業権の譲渡があったものとして,その譲渡代金を右会社の益金に算入すべきであるとした事例
- 裁判要旨
1 営業権は,法律上の権利ではなく,財産的価値のある事実関係であって,既設の企業が各種の有利な条件または特権の存在により,他の同種企業のあげる通常の利潤よりも大きな収益を引き続き確実にあげている場合,その超過収益力の原因となるものをいう。 2 税法上いかなる場合に営業権に資産性が認められるかについては,いわゆる買入れのれんに限って資産への計上を認める会計学の通説的見解およびこれと同趣旨の商法第285条の7の規定と別異に解すべき特段の事情も存しないから,有償取得の場合に限って資産性が認められるものと解すべきである。
- 全文