裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
昭和43(行コ)13
- 事件名
不当利得返還請求控訴事件
- 裁判年月日
昭和44年6月11日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 ゴルフ場の利用者に対し娯楽施設利用税を課することを定めた地方税法(昭和41年法律第40号による改正前)第75条第1項第2号,第78条の2は,憲法第13条,第14条に違反するか 2 いわゆるメンバー制のゴルフ場の正会員に対し,ゴルフ場利用税を課することは,憲法第21条に違反するか
- 裁判要旨
1 ゴルフは日本の現状において,他のテニス,スケート,水泳等のスポーツに比較すると,ぜいたくなスポーツであり,高額所得者のみが楽しみうるものであることは否定しえないから,大衆的な他のスポーツと差別して特定の階層で占められているゴルフ場利用者から利用税を徴収しても法の下の平等に違反しないし,もともと高額所得者でなければゴルフ場を利用しえないのであるから,これに1日500円程度の利用税を課したからといって,その者の幸福追求権を制限したり妨げたりするものとはいえず,したがって,右利用者に対し娯楽施設利用税を課することを定めた地方税法(昭和41年法律第40号による改正前)第75条第1項第2号,第78条の2は,憲法第13条,第14条に違反しない。 2 ゴルフ場をその正会員が利用する場合と,いわゆるビジターが利用する場合とで本質的に相違があると解すべきではなく,正会員は入会金や年会費の形でグリーンフイを前払いしてあるから使用のたびごとの利用料が低廉であるにすぎず,またゴルフ場利用税があったからといって,もともと高価な入会金を支払う能力のある者の入会をはばみ,集会を困難にするものとはいえないから,いわゆるメンバー制のゴルフ場の正会員に対しゴルフ場利用税を課することは,憲法第21条に違反しない。
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